日・独オオカミフォーラム2016埼玉
「シカ害を食い止める!!わたしたちの里山を守るために」
10月31日(月)日・独オオカミフォーラム2016埼玉が山村学園短期大学芙蓉館ホール(比企郡鳩山町)にて開催されました。主催は一般社団法人日本オオカミ協会埼玉県支部で、岩堀弘明会長が支部長を務めており、当社役員室が事務局になっています。2015年5月設立の埼玉県支部主催のイベントとしては、昨年6月のシンポジウムに続き2回目の開催となります。予想を上回る多くの皆様にご来場いただき、参加人数は117名を数えました。
今回のフォーラムでも、昨年のシンポジウムで講演したドイツ最大の自然保護団体「ドイツ自然・生物多様性保護連合(NABU)」政策責任者として活躍するマーカス・バーテン氏を招いて、オオカミ再導入により生態系の回復に成功したドイツの先進事例をご紹介頂きました。 後半は岩堀支部長を含む3名のコーディネーターが加わり、会場の皆様から寄せられた質問事項を基に討論会を行いました。質問シートには様々な角度から鋭い質問が多く寄せられ、国内の環境問題、オオカミ導入についての関心の高さがうかがえました。閉会ギリギリまで討論され、実りある時間となりました。 現在の日本の里山では、シカやイノシシによる森林や農地の食害が深刻化し、社会問題となっています。根底にある要因として、頂点捕食者であるオオカミの絶滅による生態系破壊が挙げられています。まだまだ「赤ずきんちゃん症候群」「オオカミ→怖い!」という根強い先入観があるのが現実です。生物多様性保護の重要性、シカ害の及ぼす深刻な状況を発信し続け、この活動を地道に継続していくことの大切さを改めて認識しました。今回のフォーラムは毎日新聞、埼玉新聞の2紙で紹介されており、社会の関心が広がることが期待されます。
オオカミフォーラム開催にあたり、山村学園短期大学様には大変ご尽力を頂きました。また、通訳として留学生のフォンシュラーダー・フリデリケさんにもご協力頂きました。厚く御礼申し上げます。 |
オオカミ専門家マーカス・バーテン氏 ドイツ自然・生物多様性保護連合(NABU)政策担当幹事。オオカミの保護管理に関する調査研究、普及啓発活動に専念。
毎日新聞2016年11月9日(水) |