日・米オオカミふぉーらむ2017
一般社団法人日本オオカミ協会が主催の日・米オオカミふぉーらむ2017が全国9か所で開催されました。 日本オオカミ協会副会長、並びに埼玉県支部長を岩堀弘明会長が務めており、11月11日(土)には埼玉県支部のふぉーらむが駿河台大学 第二講義棟にて開催されました。埼玉県支部のイベントとしては、一昨年6月、昨年10月のシンポジウムに続き3回目の開催となり、予想を上回る80名以上の参加人数となりました。 今回のふぉーらむでは、自然生態系講師を20 年以上勤め、イエローストーン国立公園公認ガイドとして活躍する、スティーブ・ブラウン氏を招いて、講演が行われました。オオカミの再導入によって、いかにして生態系の回復を実現したか、イエローストーン国立公園の成功事例を説明して頂きました。 最後の質疑応答では、鋭い観点からの質問が投げかけられ、大変有意義なひと時となりました。 現在の日本の里山では、シカやイノシシによる森林や農地の食害が深刻化し、社会問題となっています。根底にある要因として、頂点捕食者であるオオカミの絶滅による生態系破壊が挙げられています。まだまだ、「オオカミは人を襲う恐ろしい存在なのでは」という根強い先入観があるのが現実です。生物多様性保護の重要性、シカ害の及ぼす深刻な状況を発信し続け、この活動を地道に継続していくことの大切さを改めて認識しました。 オオカミふぉーらむ開催にあたり、駿河台大学様には大変ご尽力を頂きました。厚く御礼申し上げます。
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オオカミ専門家スティーブ・ブラウン氏 自然生態系講師歴20年以上。マイアミ大学の生物学・生態学・哲学科を卒業、交換留学生として日本へ。その後、オハイオ州立大学院で日本語、日本文学修士課程を修め、モンタナ州立大学では動物学科等の修士課程を卒業。モンタナ州立大学で約7年間イエローストーン生態学や日本史を教える。イエローストーンを中心にアラスカからカリフォルニアまでの国立公園で自然教育プログラムを手がけている。
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